GA4ってどう使う? #1 ユーザー数の見方を覚える
「GA4ってわかるようでよくわからない…」
「レポートの数字を眺めるだけで、何も得られない…」
そんなもやもやした日々をお過ごしではありませんか?
この記事では、GA4における「ユーザー」についてざっくり把握し、どのようなポイントでレポートを見ればいいのかが分かるよう、専門用語をなるべく使わずやさしく解説していきます。
ざっくりと理解してもらうことを目的としているため、実際のGA管理画面の見方や操作方法・用語集などは、Google公式サイト等を参考にして頂ければと思います。
Google アナリティクスにおける「ユーザー」の定義とは?
GA4の管理画面やレポートでよく目にする、「ユーザー」とはいったい何を指しているのでしょうか。
直感的には分かりやすい概念ですが、GA4での「ユーザー」の捉え方には重要なポイントがあります。
Googleの公式定義は以下の通りです。
—
「アプリやサイトを操作する人です。そのアクティビティをGoogleアナリティクスで測定します。」
—
…わざわざ説明するまでも無いかもしれませんが、「ユーザー」とは、Webサイトやアプリを使用した人を指しています。
ですが、この「操作する人」≠「顧客」であることがポイントです。ユーザーとして測定されるのは、必ずしも企業の顧客とは限りません。
GA4における「ユーザー」は、
「広告や検索エンジン、SNS等を通してサイトやアプリの存在を知り」
「何かしら興味をもってくれたユーザーがサイトやアプリを使った」
から、「ユーザー」として測定されるのです。
まずは押さえておきたい!「ユーザー」の指標と違い
公式の定義を把握したところで、早くも「ユーザー」についてもう少し理解を深めていきたいところかと思います。
ですがGA4には「ユーザー」の指標がいくつもあり、知りたい情報によって使い分けていく必要があります。
以下、基本の指標と違いについてざっくり解説します。
1. 総ユーザー数
総ユーザー数は、特定の期間内にサイトやアプリに訪れたユニークユーザーの数。
Point:まずはざっくり全体を捉えるために、総ユーザー数を把握しましょう!
2. アクティブユーザー数
アクティブユーザー数は、特定の期間内にウェブサイトやアプリを実際に使用したユーザーの数。
Point:総ユーザー数とは違い、何かしらの「アクションをした」ユーザーが対象となります。基本的にはアクティブユーザーで各種レポートを探索していきましょう!
3. 新規ユーザー
新規ユーザーは、ウェブサイトやアプリを初めて訪れたユーザーの数。
Point:プロモーションなどの施策後に新規ユーザーが増えているかを確認することで、その施策が効果を発揮しているかが分かります!
4. リピーター
リピーターは、計測期間内にウェブサイトやアプリを2回以上訪れたことがあるユーザーの数。
Point:定期的にサイトやアプリに訪れるユーザーがどのくらいいるのかも、把握しておきましょう!
ユーザーは、何かしらの目的をもっている
では、「ユーザーは何を目的にWebサイトやアプリを使った」のでしょうか?
それは、GA4のデータを眺めているだけでは、はっきりと知ることはできません。
ですがユーザーは必ず「何かしらの目的をもってサイトやアプリを使った」はずです。
ユーザーの目的がわかるようになるには、どうすればいいのでしょうか。
実際にユーザーへ聞いてみることが1番の近道ですが、匿名性が高いデジタルの世界ではそれが難しいため、GA4のようなデジタルの計測ツールを活用することが重要となります。
GA4は、ユーザーが何の目的でサイトやアプリを使用しているのかを解明するために開発されており、繰り返しになりますがGA4では「ユーザーの行動」を徹底的に計測しているのです。
つまり、ユーザーの目的を理解するには、「ユーザーの行動を分析する」ことが鍵となります。GA4では、ユーザーの行動を全て「イベント」として計測しています。
「イベント」を通してさまざまな角度から解析し、ユーザーの目的にあったサービスを提供できているか?ネガティブ要素は存在していないか?などを把握しておきましょう。
顔の見えないユーザーに対しても必要な情報が提供できているかを、イベント単位でチェックすることで、意外な改善ポイントが見つかるかもしれません。
※「イベント」については、別の記事で詳しく解説予定です
すべてのユーザーが企業の顧客とは限らない!ユーザーのフェーズを理解しておこう
冒頭でも述べたとおり、Webサイトに訪れるすべてのユーザーが企業の顧客とは限りません。
ユーザーがどのような目的をもって行動を起こしているか、現段階でどのフェーズにいるのか、どこがボトルネックとなっているのかを数値で把握しておきましょう。
ユーザーのフェーズとは、訪問者がサイトに訪れてから、どのように関わっていくかを段階的に分けたものです。これを理解することで、どのタイミングで訪問者が関心を持ち、どこで離脱してしまうかを追跡できるようになります。
以下のようにユーザー行動を段階で把握することができます。
認知(Awareness)
ユーザーがサイトやアプリの存在を知る段階です。ここでは、広告やSNSでのプロモーションなどを通じて、初めてユーザーが訪問します。ここでは、ユーザーに対していかに「興味」を引き付けることができるか?がポイントです。
興味(Interest)
ユーザーがサイトでどんなコンテンツに興味を持っているかを示す段階です。複数のページを訪れたり、商品やサービスを詳細に見たりします。ここでは、全員が必ずしもサービスに興味を持っているわけではないことがポイントです。自社におけるステークホルダーを意識して解析していきましょう。
行動(Action)
ユーザーが実際にアクションを起こす段階です。例えば、商品をカートに入れる、フォームを送信するなどです。この段階は、最終的な目標(コンバージョン)に繋がるため、成果を図る指標として必ずチェックしておきましょう。
ロイヤルティ(Loyalty)
ユーザーがサイトやアプリに繰り返し訪れるようになり、ブランドに対する忠誠心を示す段階です。リピーターとして定期的に訪問したり、購入を繰り返すなどの行動をとります。
GA4でユーザーのフェーズを追跡するには?
GA4では、これらのフェーズをどのように追跡するかを具体的に見ていきましょう。前章と少し重複してしまう部分もありますが、GA4で使われる主な指標をチェックしておくと理解がしやすくなります。
■認知フェーズ
総ユーザー
何がわかる?
特定の期間内にサイトやアプリを訪れたユニークユーザー数です。全体でどれだけのユーザーが訪問しているかを把握でき、サイトやアプリの規模感や人気度を測る目安となります。特に、単月のデータだけを見るのではなく、前年同月比で増減を確認することをおすすめします。同月前年比を分析することで、サイトやアプリの成長具合や、施策の効果をより客観的に評価できます。
新規ユーザー
何がわかる?
初めてサイトを訪れたユーザーの数です。主に認知フェーズの新しい訪問者を分析する際に役立ちます。新規ユーザーの増減を観察することで、新しい集客施策やキャンペーンが効果を発揮しているかどうかを評価できます。
集客施策を複数稼働している場合は、流入元別に離脱率やエンゲージメントを見て、施策の質を評価することも可能です。
■興味フェーズ
アクティブユーザー
何がわかる?
実際にサイトやアプリに訪れたユーザーの数を示します。このデータを活用すれば、認知フェーズや興味フェーズにいるユーザーがどれくらいいるかを把握できます。また、ユーザーがサイトやアプリで想定している行動を取っているかを確認するために、イベントベースでの計測を行いましょう。さらにカスタムイベントを設定することで、狙った施策の効果を定量的に捉えることも可能です。
エンゲージメント
何がわかる?
ユーザーがどれくらいサイトで活動的かを示す指標です。複数のページを訪れたり、コンテンツに反応したりした場合、エンゲージメントが高くなります。興味フェーズのユーザーの関わり具合を知るために役立ちます。
ここでは滞在時間やスクロール率といった詳細データを活用し、ページ単位で掘り下げて分析することで、ユーザーが特に興味を持っているコンテンツや改善ポイントが見えてきます。
■行動フェーズ
キーイベント
何がわかる?
ユーザーが特定のアクション(購入、フォーム送信など)を実行した数です。この指標は、行動フェーズのユーザーがどれくらい実際のアクションに繋がったかを測るために必要です。サイトやアプリの成果を判断するための主要な指標となるため、ビジネスの目的に応じたコンバージョンを適切に定義し、GA4でも設定しておきましょう。
■ロイヤリティフェーズ
リピーター
何がわかる?
再訪問するユーザーの数を示します。ロイヤルティフェーズでユーザーがどれくらいサイトに戻ってきているかを測定するために役立ちます。例えば、何回目の訪問でアクションを起こしたのかや、どのくらいの頻度で再訪問しているのかを把握することで、ユーザー体験の改善ポイントが見つかるかもしれません。さらに、接客戦略を見直すヒントとして、「リピートユーザーが再訪した理由」を考察することも重要となります。
まとめ:ユーザーのフェーズと行動を理解することが第一歩
GA4の「ユーザー」指標は、単にサイトに来た人数だけでなく、誰がどのようにサイトを利用しているのかを細かく理解するために重要なデータです。
現状把握をすることで、サイトやアプリの改善やマーケティング戦略をより効果的に行うための気づきを得ることができます。
企業の情報資産であるデータをうまく活用して、ユーザーのフェーズに合ったサービスやコンテンツを提供していきましょう!