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【制作フロー】Matterport(マターポート)撮影・編集から納品までの流れ

この記事では、店舗や施設などの建物を所持していて、リアルな現実空間をバーチャル空間に再現したいと思っている方向けにMatterportによる3DVRコンテンツの制作フローを紹介します。
Matterportの概要・導入メリットについてはこちら

Matterportでのバーチャル空間の3Dモデル制作フローは、赤外線スキャナーつき3Dカメラによる建物の撮影と、ipadを使っての専用アプリ上での撮影データの編集が、制作工程の大部分を占めます。撮影から編集、納品までの制作に関する一連の流れを説明するので、Matterportの撮影編集を制作代行業者に依頼する際の参考にしてください。

Matterportの制作フロー概要

Matterportにおける3DVRコンテンツの制作は下記の流れです。以下、制作フローの概要を説明していきます。

【1】360度撮影・3Dスキャン

Matterportでは4K3Dカメラ「Matterport Pro2 3D Camera」を使用して撮影を行います。6つの高画質レンズでパノラマ撮影と赤外線スキャナーによる正確な空間認識をすることで、現実に近い3D映像を再現することができます。

【2】撮影データ編集

撮影時にスキャンデータのプレビューを確認しながら、不要なスキャンを削り取ったり、3Dスキャンの撮影だけでは認識不可能な箇所(窓や鏡)に編集を加えます。2Dデータ時点で最低限の編集を事前に加えておくことで、データアップロード時のAIによる3Dモデル化をスムーズにさせます。

【3】データアップロード&3Dモデル生成

スキャン直後、最低限の編集後の2Dデータをクラウドサーバーにアップロードします。MatterportにはAI機能が備わってます。日々世界中の建物をスキャンしているため、常にAIによる物体認識の精度は高まっており、2Dデータをデータアップロードすれば、自動で画像を合成処理して、3〜4時間ほどで3Dモデルを生成することが可能です。

【4】3Dモデル編集&コンテンツ追加

データアップロード後、生成した3Dモデルを基に、3DVRコンテンツを作り込んでいきます。スキャンした撮影ポイントの選定に始まり、フロアの間取り図を見える化するラベルの貼り付け、空間内を説明するタグの埋め込み、特に見せたい空間のハイライト画像の設定など、Matterportの3Dモデルがエンドユーザーに興味関心をそそるようなコンテンツになるように工夫して作成していきます。

【5】URL・コード納品

Matterportの3Dカメラで撮影、データアップロード後のコンテンツを編集し終えたら、URL形式か、コードの形式で納品します。URL形式であれば、自由にリンクを貼り付けることができますし、SNSでの共有・拡散にも便利です。コードの形式であれば、WEBサイトに埋め込んで3Dバーチャル映像をサイト上で直感的に再生してもらえるようにすることが可能です。

Matterportの撮影手順

Matterportの撮影手順は下記の流れです。以下、撮影手順の詳細について説明していきます。

【1】事前に撮影導線を確認

Matterportの3DVRコンテンツは、エンドユーザーにオンライン上で自然なウォークスルーをしてもらうことが大きな目的の一つです。

ショールームなどの家具や仕切り、工場などでの細かな設備、企画展などの展示物など、空間内に見せたいものが複数あったり、複雑な間取りをしている場合は、事前にスキャン箇所を想定して、ウォークスルーに使用する導線を想定しておく必要があります。空間内をただ単純に決まった距離間で撮影してしまうと、3Dモデル化した際に、見せたい箇所を近くで見れなかったりなど、違和感のあるウォークスルーになる可能性があるからです。

特に見せたいポイントが多い箇所には丁寧に細かくスキャンを行い、空間と空間のつなぎにのみ利用されるような通路などには少ないスキャンでのぞむなど、事前にある程度の予測を立てて撮影準備を行います。

【2】撮影機材準備

Matterporの撮影に必要な機材は、2〜30センチ四方の箱型3Dカメラ「Matterport Pro2 3D Camera」と、専用の三脚、ipadの3つ。カメラにある程度の大きさがあるので、カメラ専用のケースやバッグも用意します。

Matterportは大きな3Dカメラを三脚に乗せて360度撮影。用意したipad内にMatterport専用のアプリを入れて、撮影に必要な操作は全てipadで行います。アプリ上で撮影操作から編集作業までを一貫して行えるため、撮影メンバーは撮影技術よりもアプリ内の操作方法や編集方法を事前にインプットして撮影に臨みます。

【3】360度撮影・赤外線スキャン

Matterportの3Dカメラは「Matterport Pro2 3D Camera」。6つの4K対応の高画質レンズで360度パノラマ撮影を行いながら、赤外線スキャナーで空間の距離を計測していきます。360度撮影はワンタッチ操作で1回40秒ほど。ipadに専用アプリをインストールして全てアプリ上の操作で3Dカメラのスキャンを行います。Matterportの3Dカメラにおける撮影操作はシャッターのみ。それ以外の絞りやホワイトバランスは3Dカメラが自動で調整してくれます。

事前に検討した導線や現場でのクライアント様の要望に応えながら、エンドユーザーのニーズに即した撮影ポイントで360度撮影を行います。通常の撮影では三脚は人の目線の高さに合わせて行うことで、自然なウォークスルーを実現。エンドユーザーに特に見せたい箇所が人の目線より低い高さにある場合は、三脚の高さを低く調整して、対象の箇所にカメラを近づけて撮影することも可能です。

【4】撮影プレビューの確認

毎回の撮影の度にipad上で撮影プレビューを確認することができます。その場で判断できる不要な撮影データはその後の編集を効率化するために即削除して再撮影。後日撮り直しが起きないように、その場でプレビューを確認しながら、適切な撮影データだけ残しておきます。

対象空間の必要な撮影箇所を撮りきったら、現場でクライアント様に360度撮影画像のプレビューを確認してもらい、気になる箇所をフィードバックしてもらいます。再度撮影が必要な箇所はその場で再撮影して修正。これで撮影業務を完了します。

Matterportの編集手順

Matterportの編集手順は下記の流れです。以下、編集手順の詳細について説明していきます。

【1】ビューポイント(撮影箇所)の選定

撮影したビューポイントを編集します。必要なポイントと不要なポイントを区別・選定して、適切な数のポイントを設計することで、自然なウォークスルーを実現させます。

撮影箇所が多い方が空間全体の精度が高い3Dモデルが出来上がるので、撮影時には導線とは関係ないような箇所も撮影していきます。そのため、実際にスキャンした箇所で各ビューポイントを使ってウォークスルーしながら違和感がないか確認します。

注意してみてほしい箇所がない空間にビューポイントが多く設定されているとウォークスルー時に移動のストレスがあるため、必要なポイントに絞ることが大切です。一方で、あまり絞り過ぎると、ポイント間での移動ができなくなることもあるので、何度もシュミレーションをした上で残すビューポイントを決めていきます。

【2】ラベル貼り付け

フロアビュー上で自由に貼り付けられるラベルを作成します。フロアプランビューでは空間を3Dではなく2Dで真上から見ることができるので、部屋や区画ごとに名前をつけて、間取り図のように建物内のスペースのサイズ感やフロア内の配置が簡単に確認できるようにします

また、フロアの中だけでなく、出入り口やそこまでに至るエレベーターホールなど、建物の導線に沿ってラベルを貼りつけることで、対象フロアへのアクセスまで見える化することも可能です。

【3】距離の計測・表示

メジャーツールによって、建物内の距離を正確に測って表示し、物理的な実際の距離もデジタル空間に再現させますMatterportはエンドユーザー側が3Dモデル上で自由に好きな箇所を計測することが可能ですが、事前にエンドユーザーが気になる箇所を予測して計測・表示することで、ユーザー側で計測しなくても一目で空間の距離が分かるように設定することが可能です。

表示の方法も、フロアプランでのみ表示させるのか、ウォークスルーの際にも表示させておくのかなど、ユーザーニーズに応じて設定していきます。特に不動産賃貸のオンライン内覧や家具のバーチャルショッピングなどでは、対象空間の広さや・商品のサイズが購入するにあたっての判断基準になるため、販促にとても効果的です。

【4】コンテンツの埋め込み

ウォークスルー画面内の壁面や物に対してタグを設定して、テキスト・リンク・画像・動画などの説明コンテンツを作成します。建物内の訴求ポイントを空間内にコンテンツとして設置することで、ウォークスルー中のエンドユーザーの興味喚起を促したり、深い情報提供を可能にします企画展などの展示物に作品の説明をつけたり、バーチャルショッピングができるように商品にECサイトにつながるURLを貼ったり、商品の利用イメージを促すような画像や動画を貼ることも可能です。

タグの設定は、類似の360度撮影するVRサービスに比べてMatterportが特に優れている機能です。Matterportがただ建物をバーチャル化するだけでなく、エンドユーザーの 購買意欲や顧客体験価値を高めるツールとして利用している理由は、こうしたユーザーとのインタラクティブなコミュニケーションを促進する機能が搭載されているからといえます。

【5】ハイライトビューの編集

建物内で特に見せたい画角を選定・作成します。表示するハイライト画像を、訴求したい建物のビューポイントに絞ることで、エンドユーザーが空間内をダイジェスト的に確認できるようにします。見せたい箇所を目次機能のように画面下に表示できるので、複数フロアにまたがっている建物や、1フロアであってもユーザーに特に見てもらいたい箇所が複数ある場合はとても効果的です。

さらに再生ボタン一つで自動再生する動画が作成できるので、ハイライトビューで選んだ箇所を一度に紹介することが可能です。ビューポイント間の移動速度や、ポイントごとの回転角度を微調整することで、エンドユーザーにスムーズな建物案内を体験させられます。

Matterportの納品

Matterportで撮影スキャンした3Dモデルを編集し、3DVRコンテンツとして完成させることができたら、WEBサイトに埋め込み可能なコードの形に変換して納品します。URLの形式でリンクをお渡しすることも可能です。撮影後のコンテンツの編集はクラウドサーバーに乗せた状態で行っているため、制作が完了次第、即日納品が可能です。

Matterportの制作事例はこちら

Matterportの撮影・コンテンツ制作はPEACEへ!

Matterportで3DVRコンテンツを制作するにあたって、お打ち合わせから撮影・編集・納品までの制作スケジュールは以下の流れです。Matterportは短納期での対応が可能ですのでお急ぎの場合もお気軽にご連絡ください。

PEACEではMatterportの撮影からコンテンツ制作までを一括で承っております。企業様のご要望に合わせたMatterportの活用方法をご提案できますので、ご興味のある方はぜひお問い合わせください。